ご挨拶

第40回日本脳腫瘍病理学会
会長 佐々木 惇
(埼玉医科大学医学部病理学 教授)

佐々木 惇

この度、第40回日本脳腫瘍病理学会を2022年5月27日(金)・28日(土)に埼玉県川越市の川越プリンスホテルで開催させて頂くことになりました。私個人ならびに埼玉医科大学病理学としまして日本脳腫瘍病理学会を開催させて頂くことは大変光栄に存じております。

今回のメインテーマは、「時空間軸から考える脳腫瘍病理」とさせていただきました。本学会40年の歩みを振り返り、次世代の病理医・脳外科医に伝えるべき脳腫瘍病理(診断と研究)は何か(時間軸)、そして、新WHO脳腫瘍分類(2021年)に基づいて日本全国の脳腫瘍病理診断体制の整備と強化を図り、アジア・世界に向けて発信すべきこと(空間軸)を討論していきたいと考えています。特に今回は、第40回という記念すべき会であるとともにWHO 分類改訂後はじめての学会であり、これまでの学会活動を振り返り、将来の学会の目指すところ、持続可能な目標も検討したいと思います。

招待講演者としては米国から2名、新WHO分類2021を含むWHO脳腫瘍分類改訂の統括責任者を務めてこられたDavid N Louis先生(Massachusetts General Hospital、病理学)と胎児性脳腫瘍の実験病理で高名なCharles G Eberhart先生(Johns Hopkins 大学医学部、病理学)をお招きします。新型コロナが終息に向かい、海外渡航が安心して行える状況になればお二人の先生が来日でき、新時代の脳腫瘍病理に関する討論が大いに期待されます。国内からは、長年脳腫瘍研究の最前線で活躍されてきた佐谷秀行先生(慶應義塾大学医学部先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門)をお招きし、教育講演を行って頂く予定となっております。

本学会では、シンポジウム、ワークショップ、一般口演、ポスター発表とともに40周年の特別企画も行っていく予定です。さらに、脳神経外科医を中心として若手医師の教育も目的として、5月28日(土)にはウェスタ川越において教育セミナーの開催も予定しております。

私は1980年群馬大学医学部卒業後直ちに群馬大学第一病理学教室(故石田陽一教授主宰)に大学院生として入室し、石田陽一先生と中里洋一先生のご指導を受け、神経病理学・脳腫瘍病理学を学んでまいりました。本学会には1983年の第1回学術研究会(名古屋、石田陽一会長)に参加し、以降、ほぼ毎年参加してまいりました。1990年の第8回研究会(琵琶湖シンポジウム、石田陽一会長)にも参加し、会場運営のスタッフとしてお手伝いさせて頂きました。従いまして第40回学会を開催させて頂きますことは私にとってこの上ない喜びでございます。副会長の藤巻高光先生(埼玉医科大学脳神経外科教授)や学会事務局員と力を合わせて、参加者にとって有意義な会議となるよう、学会を準備・運営することに大きな責務を感じております。

私は本学会を通じて数多くの先生方と知己を得ることができました。2022年の学会も、会員の先生方にとって新たな出会い、感動の場となるような学会としたいと思っています。どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。

新型コロナウィルス感染の状況は推測しがたい状況でございますが、多くの皆様のご参加と演題の応募をお待ち申し上げております。

2021年5月吉日

ページトップ